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2009/02/22

遅発性統合失調症の症状を知る

統合失調症の症状には陽性と陰性と認知障害の3種類があります。

「ニュースZERO」で取り上げられていた遅発性統合失調症の患者は、被害妄想のために近所の住民に、大声で罵ったり、誹謗中傷を書いた紙をポストに入れたりなどの迷惑行為を連日連夜にわたり行っていました。
これは、遅発性統合失調症の陽性の症状によるものです。

統合失調症の陽性症状の特徴としては、嫌がらせをされている、後をつけられている、だまされている、命を狙われているといった被害妄想や、本や新聞の一説や歌の歌詞などが自分にむけて発信されていると思い込む関係妄想などの妄想や、幻聴、幻覚、思考障害や異常行動などが挙げられます。

統合失調症の思考障害とは、考えが支離滅裂になることで会話にとりとめがなくなり、話題が次々に変わってしまうため、他人との会話が成立しなくなった状態を言います。異常行動をする遅発性統合失調症の患者は、子供がふざけているような行動をとったり、奇抜で不適切な服装をしたりといった行動を示します。陽性症状を呈すると、それまでの能力や性質が失われることで、感情や感覚が鈍くなったり、会話が乏しくなったり、他者との関わりに関心がなくなり、社会性が失われたりします。また、以前興味があったことに意欲をもてなくなり、目的もなく時間を費やすようになります。

統合失調症の認知障害とは、集中力、記憶力、整理能力、計算・計画能力などに問題が発生することです。集中力がなくなると本やテレビなどのストーリーが追えなくなり、理解できなくなります。意志決定能力も失われ、日常生活に支障をきたすようになります。

2009/02/21

遅発性統合失調症の最新治療法

遅発性統合失調症の治療の目標は、精神症状を軽減させ、再発やそれに伴う身体機能の低下を防ぐことにあります。遅発性統合失調症の具体的な治療内容は、向精神薬の服用、リハビリテーション、地域支援活動、心理療法などで構成されています。

向精神薬は主に妄想や幻覚、幻聴などの症状を軽減する効果があり、継続して服用すると統合失調症の症状を抑えることが可能です。向精神薬には、筋肉の硬直、ふるえ、体重増加などの副作用も予測されますが、現在では、副作用の少ない新しい向精神薬も次々に開発されています。たとえば、その中の一つ「クロザピン」は、他の向精神薬を服用しても効果がなかった人の半数にも効果が認められています。ただし、「クロザピン」は、現状では、他の向精神薬で効果が表れなかった患者にのみ処方されているようです。

リハビリテーションや地域支援活動は、遅発性統合失調症を発症し、社会生活に必要な能力が欠如したために自立した生活が送れない患者の治療としておこなわれます。具体的には、職業訓練や施設での完全看護が中心になります。

遅発性統合失調症の治療は、5年までは妄想や異常行動、幻覚などの急性症状の再発防止と、機能障害や治療への抵抗性を防ぐことに費やします。そして、5年目から10年目にかけては、意欲の低下などの陰性症状や能力症状へ対応し、社会復帰活動を促進します。10年目からは急性症状はみられなくなるため、それぞれの患者に合わせた治療法を適用するようになります。