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2009/02/14

遅発性統合失調症とは何か

統合失調症とは、現実との接触喪失、幻覚や幻聴、妄想や誤った思い込み、異常思考、感情の平板化、意欲の欠乏、社会的機能の低下などを特徴とする精神障害です。以前は「精神分裂病」という呼び名で知られていましたが、偏見や誤解、差別を避けるために、そして、後の研究により「精神分裂病」がこの精神疾患の症状の本質を表していないことが判明したために、「統合失調症」と呼ばれるようになりました。

統合失調症の発症例は、親から独立することを求められる年代に多く、平均すると男性で18歳、女性では25歳です。国によって異なりますが、平均して人口の1%にみられるといわれています。日本では、人口の約0.8%にみられ、患者数は約60万人に上ると言われています。統合失調症患者の入院者数は約20万人で、精神科入院患者の約6割を占めています。統合失調症を放っておくと一生涯続く能力障害を引き起こす場合があり、WHOによると、統合失調症は全世界の能力障害の原因の第9位を占め、アルツハイマー病や多発性硬化症よりも多く見られる病気だとされています。

統合失調症の一種である「遅発性統合失調症」は、40代以降に発生する統合失調症に付けられた呼称です。一人で過ごす時間の多い人や、家族と離れたり、配偶者と死別した人に多く見られ、男性よりも女性の方が発症する割合が高いそうです。

遅発性統合失調症の発症初期は本人には自覚がないことがほとんどです。遅発性統合失調症は、そのメカニズムがまだ十分に解明されていない病気ですが、早期に発見して適切な治療を行えば、症状をやわらげ、社会生活を送ることが可能になります。従って、遅発性統合失調症の症状の改善には、何よりも早期発見と早期治療が求められます。