スポンサー ドリンク

2009/02/16

遅発性統合失調症の症例にみる家族の役割

遅発性統合失調症とは、主として40代から発症する統合失調症に付けられた呼称です。日本テレビ系のニュース番組「NEWS ZERO」で紹介されてからネット上で大きな反響を呼んでいます。遅発性統合失調症は、本人にはほとんど自覚がないので、家族やまわりの人が十分注意し、おかしな行動が現れたらすぐに話し合い、病院に連れて行くことが大切です。

遅発性統合失調症の発症は突然訪れる場合もあり、「近所の人が悪口を言っている」、「誰かに見張られている」など言い出したり、幻覚や幻聴に導かれて家出を試みることもあります。もしご家族の誰かにそのような症状が現れたら、すぐに病院に連れて行くようにしましょう。

しかし、精神科に行くことを納得させるには時間がかかるのが通常で、症状が現れてから医者にかかるまで2年を要したというケースもあります。中には、患者さんを引きずったり背負ったりして、無理やり病院に連れて行ったという例もあるようです。どうしても本人が病院に行きたがらない場合は、まず家族だけで病院を訪れ、医師にアドバイスをもらうという手段もあります。

高齢者の遅発性統合失調症の発症は、アルツハイマー病と混同されることが多くありますが、夏でも厚着をしたり、近所の人に罵声を浴びせたりするような異常行動がみられれば、統合失調症の可能性があります。

遅発性統合失調症の患者に一番大切なのは家族の支えです。話し合いをしても、統合失調症の患者とは話がかみ合わず、いらだってしまう例はたくさんありますが、まず、家族は患者に対して希望的な姿勢で接することが大切です。遅発性統合失調症の患者は孤独感や疎外感を抱いている場合が多いので、家族の一員としての役割を果たす機会をできるだけ作る必要があるのです。